成人の日の8日、振り袖などの販売やレンタルを手がける「はれのひ」の店舗が突然閉鎖し、数百人規模の新成人が振り袖を着られなくなる被害に遭っていたことが分かった。
振り袖「はれのひ」突然閉鎖…新成人数百人被害|BIGLOBEニュース https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0108/ym_180108_1282851591.html

人生でたった一度の、成人という節目。
晴れやかな舞台で召すのが振袖。
【振袖について】
振袖(ふりそで)は、身頃と袖との縫いつけ部分を少なくして「振り」を作った袖をもつ着物である。 現代では若い女性の、黒留袖や色留袖、訪問着に相当する格式の礼装である。 成人式、結婚式の花嫁衣装・参列者双方で着用される機会が多い。 (Wikipedia)
現在では7割近くの女性が振袖を着て成人式に出席しています。
(出典:https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/29133)
そんな振袖のひどい事件があったようで。
まず、平均予算は250,000円程度、最低でも100,000円と言われています。
馬鹿にならない金額。
それでも、そのお金を出してくれる、という親は多いです。
(少なくとも、ぼくの周りはほとんど振袖を着させてもらっていた)
世の中には、裕福な人ばかりではありません。
母子家庭の子だって、アパート暮らしの子だって、お母さんがコツコツ働いて、なんとか月賦で払えるという人もいるでしょう。
それでも、着させてあげる。
それくらい、振袖は女性の親にとって特別な着物であり、成人式は特別な日なのだろうなあって。
先日の「成人式に行った方がいいんじゃない?」という記事では触れなかったけれど、
もちろん、成人式は『親子関係への節目』という意味もある。
子どもとしては、
歴史ある祝典へ参加することによって過去を清算し、
親や親戚への感謝を胸にする、
親としては、
最後に晴れやかな着物を着て、舞台に立つ子どもを見て、
ひとまずホッとして、気持ちよく送り出す、
20年間の節目の日です。

それなのに、
『当日の朝にブッチする』という信じられない業者がいる。
今朝のニュースを見て、親と子の気持ちを思うと涙が出そうになりました。
【思うこと】
「当日急遽取りやめなんて、企業としての責任を果たしていない」
「お金を払った以上、サービスを行うのが当たり前だ」
たしかにこのように、『お金』『企業』の切り口から見ても、
悪質極まりない事件です。
でもぼくがそれ以上に悲しいと思ったのが、業者の従業員が持つ『オトナとしての姿勢』。
企業の社員は、就職しているということは
全員(未成年が若干名いる可能性はある)が成人だ。
少なくとも事実、社長の篠崎洋一郎氏は立派なオトナであるわけだが、
オトナである以上、
『これから社会に出る若者を気持ちよく迎え入れよう』
という気にはならなかったのだろうか。
若者の門出を、記念すべき人生一度きりの行事を、人生の先輩が汚してどうするんだ。
事実、 「晴れ着を着られないから、成人式に出ない」という人もいた。
HARENOHIは、絶対にお金では買えない、彼女たちのかけがえのない一日を奪ったのだ。
そういう意味で、罪はとても重いと考える。
だからこそ、急遽予約なしでも受け付けをした着物業者さん・専門学校の方や、写真屋さんをはじめとした、
ボランティアの方々の行動や心遣いには感動したし、尊敬の念を覚える。本当にありがとう。
—
先日、大ヒット上映中の映画、『八年越しの花嫁』を見た。
その映画の登場人物の、結婚する主人公の担当者となったウェディングプランナーが、本当に格好良かった。
そのウェディングプランナーは、
結婚式という一世一代の舞台に臨む、お客さんの気持ちを汲み取って、最大限の配慮や行動をする、
サービス業の鑑ともいうべき人だった。
この映画は実話をもとに創られた話だから、このウエディングプランナーは実在する方であるということだ。
「こんな人がいるんだ。」
そんな感動をした直後だった。
だから、このニュースは本当に悲しかった。
【総括】
HARENOHIとその関係者への憤りはもちろんあった。
けれど、素晴らしい人徳を持った人がまだたくさんいる。
日本もまだまだ捨てたものじゃないなとも思う。
そして、ライフイベントを請け負う方々。
成人式だけじゃなくて、七五三、結婚式、お葬式もそう。
大変なのはすごく分かる。でも、責任感を持ってよ。
責任をもって、素晴らしい式を執り行って、
客も受付人も、お互い「いい式だったね」って感動しようよ。
今回の事件は業界全体で、意識を再確認するいい機会だと思う。

では、
新成人のみなさん、成人おめでとうございます。