お笑い芸人のロバート。
最近、秋山竜次だけ『クリエイターズファイル』とかで売れているみたいなんだけど、ぼくはそれよりも『ロバート』全体が好き。
要は、山本、馬場、秋山の3人組が揃ったほうが好き。
『秋山だけが面白い』みたいなことを言われているけれど、
この意見には疑問を覚える。
『山本と馬場は両方地味だけど、
それを秋山が上手く引き出してるからロバートは面白い』
という意見も、なんか違う。
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3人の強めのクセが上手いこと調和している。
という表現が、一番適切だと思う。
3人のコンビネーションが揃って、
初めて『ロバート』の味が出ていると思ってる。
彼らのコントは、実力のあるお笑い芸人ならではの
「真っ直ぐで、純粋な面白さ」がありつつも、
「シュール」な一面も持ち合わせている。
昔、テレ東系で放送していた『ポケモン☆サンデー』が大好きだったので、
ロバートのことはその当時から知っていた。
親からエンタの神様や笑いの金メダルを見ることを禁止にされ、
お笑い芸人に触れずに育ってきた。
そんな自分は、バラエティ番組としてポケモン☆サンデーをだけを見て育ってきたと言っても過言ではない。
とにかく、大ファンだ。
自分の笑いのツボは、ひょっとしたらロバートとTIMによって作られたのかもしれないね。

https://www.tv-tokyo.co.jp/contents/pokemon_sunday/index.html
前置きが長くなった。
今回紹介したいコントが、『アスリートのためのCM講習会』である。
(消えていたら『ロバート アスリート』でググってください。)
彼らのコントには
「ロバート3人のキャラを知ってこそ面白い」
っていうものも少なくない。
だけど、このネタは誰が見ても、純粋に面白いと思う。
なぜ面白いのか。
それはきっと、『世の中のタブーになっているみんなの共通認識を、面白おかしく掘り返せたから』である。
『アスリートの演技は棒読み』ということは、誰もが思っていて、胸のうちに秘めていたもの。
でも、意外と話題にされてこなかったのが事実。
それはなぜか。
CMに出てくるアスリートは、オリンピックでメダルを取るとか、その業界のスター選手ばかり。
そんな彼らをイジるという行為は、(一歩間違うと)失礼に直結してしまう『刃の剣』。
アスリートが不快に思ったら、スポンサーから文句が来るとか、番組出演NGになるとか、色々な問題が生じてしまうだろう。
キングコングの西野亮廣が「信頼関係のないイジりは、イジりではなくイジメである」って言ってたけど、まさしくそれも原因。
日頃、芸能人はテレビなどの撮影現場に、アスリートというのはスポーツの世界にいる。日頃過ごす環境が全く違い、芸能人とアスリートとの間には信頼関係が生まれづらい。
だから、イジりにくいというのもあるだろう。
でもロバートは、そんな業界のタブー、『アスリートの演技は棒読み』という皆の隠れた共通認識を「上手に」掘り返した。
棒読みをすることを「抜く」と言うことで。
「演技の棒読み感」を「アスリートらしさ」と例え、オブラートに包むことで。
アスリートが昔から棒読みだという事実は、
「先輩からのバトンが受け継がれている」という表現でイジる。
彼らの演技を、「下手」だとは決して言わない。直接的に、悪口は絶対に言わない。
このルールを守って、ギリギリのところで、絶妙なニュアンスで棒読みをイジっている。
そして、そこには何のイヤミもない、誰もが笑える純粋な笑いが起こっているのだ。
(もちろん、不快だと思う人も一部いるかもしれないが。)
秋山の勢い、山本のシュール感、馬場の持ち味も存分に発揮されている。
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「エネルギーゴールド」「岡田屋の牛丼」のCM演技の、
何とも言えないチープ感もたまらない。
この「いくか、いかないか」という絶妙な線引き。
タブーをあえて踏みに行くスタイル。
ロバートの真骨頂が現れた、傑作コントだと思う。