<時事ネタ>

『きのこたけのこ総選挙』ってどうなの?【公式】は、非公式ネタを取り上げてはいけないと思う

インターネットの普及によって、世界中の情報と繋がるようになり、人々の相互コミュニケーションが活性化したのは言うまでもない。

スマホやパソコンが一般層でも広く扱われるようになって、情報の伝播性も著しく向上した。

そしてそれが、人間の表現の幅が広がり、クリエイティビティの飛躍をもたらした。

 

AA(アスキーアート)や顔文字、「2ちゃん用語」「なんJ語」などのネットスラング、YouTuberの出現なんて、その最たる例だろう。

 

モナー

 

それはともかく、2ちゃんねる(5ちゃんねる)やTwitterなどによって、良くも悪くも『洗練された』非公式なネタやあだ名が、より多くの人に知れ渡るようになっている。

なぜ洗練されるのかって考えると、短期間に多くの人の目が通されるからだと思う。これまで読書など、オフラインなことに充てられていた人々の時間が、インターネット上の『ネタ』に目がいくようになったのだから。

単純に洗練された、面白いワードはすぐ伝播する。さらにみんなが掘り下げていって、どんどん有名になっていく。

(逆に面白くないものは伝播しないし、新しい情報の波にのまれ、すぐに廃れていく。)

イニエスタbot (https://twitter.com/haegiwayabatan)

 

 

『天空の城ラピュタ』に登場するムスカ大佐が消滅する前の一言、「バルス!」なんてのはその典型ではないだろうか。

 

元は、物語の主人公シータの滅びの言葉。物語終盤の決め台詞とはいえ、特段作中でも特別扱いまではされていない、いわば普通のセリフだ。

 

ただ、まだ誕生して間もない2ちゃんねるで鯖落ちの呪文として取り上げられ、その言葉の持つ意味合い、周りの風向きが大きく変わったようだ。

このネタが面白いかどうかはともかくとして、地上波で放映された2011年12月9日23時22分の発動時には、Twitterでのツイートが25088ツイート/秒に達したほどの人気っぷりだったらしい。(ソース

まさにインターネットの普及によって多くの人に愛された、非公式ネタの代表だと言えよう。

 

消費者に媚びを売る、企業の必死なプロモーション戦略

資本主義がある程度行きついたからか、モノ自体の質が大きく向上しているからかは知らないが、最近「モノが売れなくなって来ている」と言われるようになった。

『モノ消費からコト消費に移行している』とかよく言われるのは、おそらくそういうことだ。

さらに、先のインターネットの普及も相まって、情報過多の世の中になった。

そんなこんなで現在の世の中は、モノと情報で溢れているわけだ。

 

こんな世の中だけれどモノを売ってビジネスをして、さらに業績を伸ばしたい、そんな存在がある。メーカーに代表される、『モノを売る企業』だ。

この現状でも、テクノロジー力と自分たちの頭脳をフル活用し、今まで以上に躍起になって斬新な宣伝活動やキャンペーンを行うことで、何とか自社の商品を売ろうとしているわけだ。

そのようなキャンペーンには面白いものもまだまだ多いし、全否定するつもりはない。

 

でも、そんな「一見過激とも取れるキャンペーン」の中で最近の傾向として、「公式が、非公式ネタを使う」というタイプがあると思う。

この記事で何が言いたいことは、この「非公式ネタ」についてのことだ。

結論から言うと、「この方法、あまりよろしくないのでは?」ということだ。

 

非公式ネタを公式で扱われると、なんか違う気がする

なぜか。まず第一に、公式が非公式ネタを使っても面白くないのだ。

公式の存在が非公式のネタを扱う様を見ていると「虚しい」と思うし、ものすごく「寒い」と思う。

 

非公式ネタを扱うということは、企業は消費者のウケを狙っている、ということだ。

でもこれが、消費者に媚びついているようで、非常に鼻につく。(そしてこんな印象を持っているのは、ぼくだけではないと思う。)

 

例を挙げる。

 

2018年2月26日から始まった明治乳業のキャンペーン、#きのこたけのこ国民総選挙だ。

きのこの山を支持する“きのこ党”と、たけのこの里を支持する“たけのこ党”、双方の発展を目指す新党“どっちも党”の3党による、『公式の』人気投票企画である。

ぼくはこのキャンペーンを見て、唖然とした。そして、すこぶるもったいないと思った。

引用:https://www.meiji.co.jp/sweets/chocolate/kinotake/cmp/2018senkyo/

 

きのこたけのこ戦争—-

それは、きのこ派か?たけのこ派か?100円程度の菓子で争われる、因縁の対決。

それは、誰も傷つけることも傷つけられることもない、不毛な争い。

いわば、インターネットが生み出した、人のクリエイティビティを発揮する最高の場だ。

 

日本人が日本語の『妙』を遺憾無く発揮する、本当にしょうもない場でもあるのである。

このような非公式ネタは、ファンの間でおもしろおかしく語られるものだから面白いと思っている。

http://leoroid64.blogspot.jp/2011/09/blog-post_19.html

http://leoroid64.blogspot.jp/2011/09/blog-post_19.html

 

このように非公式なネタとしてファンが盛り上がっていたのだが、何故か「2つの雌雄を決する」とばかりに、公式がキャンペーンの1つとして介入してしまった

雰囲気をぶち壊している感が否めないし、非常に残念に思う。

 

 

生徒が見えないところで『トーテムポール』って呼んでいた先生が、

自分から「トーテムポール」って自分のことをネタにしちゃう。あの白け方に通ずるものがある。

この、『それじゃない感』がすごい。

コアなファンを大事にしてほしい

公式としては「非公式ネタを取り上げることでバズらせて、消費者との距離を縮めたい」という意図があって非公式ネタを取り上げているのだろうけど、それはちょっと、消費者を勘違いして、甘くみてはいないだろうか。

 

公式はあくまで公式。公式は、『雲の上の存在』であればいいと思う。コンテンツにおいて、『公式』と、『非公式』の線引きは意外と大事だと思う。

 

 

もちろん、非公式ネタを扱い、『バズらせる』ことで短期的な収益は見込める。

けれど、長期的な目線で見ると、得をしているとはあまり思えない。

なぜなら、『非公式ネタを持っている』ということは、貴重なブランドの資産だからだ。

 

 

『きのこたけのこ戦争』は、国民的なお菓子であるからこそ成立するネタなのである。

有名、つまり『多くの人の共通認識』がないと、醸成されることがないネタなのだ。

『コナンの周りでは人がよく死ぬ』ってのも、『松岡修造が海外に行くと、日本が寒くなる』ってのも、その対象物(つまり名探偵コナン、松岡修造)が有名であ理、多くの人の共通認識がないと成り立たないネタだと言える。

非公式ネタというのは、基本的に有名な事柄しか持つことが許されない、貴重な資産なのである。

 

さらに非公式ネタは、この『セカンドクリエイター時代』にうってつけだ。

非公式ネタを題材に、コアなファンは数々のコラ画像やイラスト、写真などの作品を作成する。

また、学問に基づいた緻密な分析が行われたりもする。

出展:http://buzzmag.jp/archives/16911

 

それがまた話題や議論を呼び、人々を巻き込んでいく。そして、ブランドの地位を強固にしていく。

このような現象は広告宣伝として結構大きいと思っているし、消費者側としても『公式が予期していないようなネタを発見し、議論する感覚』はたまらなく興味深い。

これだけ盛り上がっているときに、松岡修造が「俺が日本にいないと平均気温が下がるんだぜ!」と言ってしまった時を想像してみてほしい。それは、想像以上に『間抜け』だ。

 

 

非公式ネタを公式が取り上げてしまうことは、コアなファンの熱を冷ましてしまうことになりかねない。

 

だから、公式が触れない、消費者に解釈を任せる『余剰』みたいな部分と、それを黙って見ている対象物(=企業)の器

これって、意外と大事だと思ってる。

 

 

でもこの貴重な資産を食いつぶして、公式が非公式に介入する・・・こんな例が後を絶たない。

 

出展:https://www.nissin.com/jp/news/6387

 

出展:https://twitter.com/Pokemon_cojp/

 

出展:https://twitter.com/Daily_Online

 

出展:http://news.livedoor.com/article/image_detail/11034176/?img_id=9707565

 

でも『きのこたけのこ国民総選挙』は、総投票数が700万票近い。(記事執筆時)

(ちなみに、何よりも大事な『衆議院議員選挙』の総投票数はおよそ5,400万票である。)

そのあたり、この企画の人気の高さが伺える。一般へのウケは抜群なようだから、寒いと感じているのは少数派らしい。

 

まとめ

でもぼくは、声を大にして言いたい。

公式が非公式ネタを使っても、長期的な利益には繋がりにくいんじゃないか

短期的な『話題性』だけを求めすぎ、『コアなファン』と『しょうもないネタ』というとっておきの資産を手放すことはあまりにもったいないと思う。

 

それに、消費者に媚びついている様があまり企業の宣伝広告としてあまり『美しくない』と思うけど、どうなのだろう。

 

という問題定義でした。

 

 

という感じで結構ボロクソ書いたけれど、ぼくはたけのこ派です。

よろしくお願いします。

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