<考える>

年の瀬、師走

師走は、冬がはじまる月。

身につける服が重くなり、若干身動きが取りにくくなる感覚。

風が吹くと、しなびた枯葉が乾いた音を立て、飛ばされていく音。

肌に触れる空気が”しん”とひんやりして、吐く息が白くなる光景。

月が変わり、こんな「冬感」の到来を感じると、少しうれしくなる。

師走は、一年で最も日が短い日 —冬至 がおとずれる月である。

日中でも僅かに薄暗く、空はにわかにしんみりしていて、鉛色をしている。

夜に近づくにつれ、夕方には空気が凍てつき、夕焼けとともに暗くなっていく。

普段はにぎやかな公園も、五時を越えると静寂に包まれる。

昔から、我が家では冬至の夜の浴槽に柚子を入れる。

香り立つ柚子湯につかると、時が移りゆく速さをあらためて感じるものである。

http://kishuji-minabe.jp/?p=4096

師走は、クリスマスも連れてくる。

『冬』という神様のいたずらは人の体温を奪い、恋人たちの距離を縮める。

冬の光は輝きを増して、夜の街を鮮やかに彩る。

それを尻目に、なんとも言えぬ孤独感に苛まれるのは最後にしたい。

師走は、大掃除の月でもある。

かじかむ手に苦しみながら、一年間お世話になった場所を清潔にしていく。

時に立ち入って、時に思い出の品を捨てて、
新年に向けて身の回りを整えていく。

時間は連続的なもので、それは本来同質であるもの。

それでも、一年という『区切り』は人間の活動において大きな意味を持つ。

『三六五日』というのがなぜ定められたのかはともかく、
この日数でのサイクルはなかなかしっくりくるものである。

長くもあり短くもある一年。

その締めくくりとして、師走という月はふさわしい。

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