<いろいろ>

『ニクいほどの感動』って、いいよね。——これからのコンテンツは『満足』じゃ物足りない

日本語には、「ニクい(憎い)」という単語がある。

単純に”憎らしい”という意味で使われることもあるけれど、

”憎悪の感情を抱かせるほど”に”見事である”、という反語の意味合いを持たせることも多い。

この記事では後者、反語の『ニクい』についての記事である。

この間見た映画で、久しぶりに『ニクい』と思った。

世界中で大ヒットした、クイーンの伝記映画『ボヘミアン・ラプソディ』

このオープニングの演出が、まあニクかった。

『タイタニック』など名作を輩出している20世紀フォックス。
同社製作映画のオープニングでは、おなじみのファンファーレが流れる。

そのファンファーレが、まあ素晴らしかった。

クイーンの名ギタリスト、ブライアン・メイによる、エレキギターのロックアレンジだったのである。

見る前、自分はクイーンについてほとんど無知だった。

でも、あの20秒間、クイーンのもつエネルギーによって、

一気に引き込まれ、気分が一気に高揚した。

ニクいほどに感動した瞬間だった。

自分の心が突き動かされ、感動をも超えた何かを感じた。

クイーンをたいして知らない自分でも、この演出は『ニクい』と思ってしまったのだから、往年のクイーン・ファンの涙腺が心配なところである。

(出典:http://www.queenonline.com/queen)

今の世の中は、満ち足りている

資本主義も成熟し、SNSや通信の発達によって、
テクノロジーがだいぶ日常生活になじんできた。

そんな現代社会は【モノだらけ、コンテンツだらけ】だ。

ちょっと歩けばコンビニがあって、
街ではたくさん美味しいものが食べられて、
スマホでは気軽にYouTubeが見られるし、
ヤフーを見ればたくさんの情報が得られる。

加えて日本は水がおいしいし、
治安もいい。

社会のあちこちに、『満足』がある。

みんな『満足』に慣れてしまっていて、
得たり、満たされることを
当然だと思っている。

そんな時代だからこそ、
これからのコンテンツは『満足』だけではなく、
『ニクいほどの感動』を追求していくことが大事ではないか。

だけど作る側として『ニクいほどの感動』を作るには
相当な情熱・計画性と作り込みが必要だから、
手をつけることに躊躇してしまいそう。

でも、そこで躊躇せずに追求をしていくことが、
『ニクいほどの感動』を生むんじゃないかな。

それができれば、相対的に付加価値を上げることにもつながっていく。

触れた人の一生の思い出に残り、人生を変えるような作品。

その作り込みをする姿勢を、失わずにいたい。

浅い共感だらけの世の中に、一石を投ずる

SNSの浸透によって増えた、”容易な”コミュニケーション
——『浅い共感』

『いいね』ボタンはその典型。

感情的にプラス側に働いたものを、
全て『いいね』という反応にまとめてしまっている。

『いいね』っていう、
参加がしやすいフィードバックの仕組み。

それが社会に残したインパクトは大きい。

(実際、そのくらい簡単に考えた方が、
人生は楽しくてラクなのかもしれないと思うこともある。)

でも、その負の影響も間違いなく出てきている。

一番良くないところは、物事の本質を見失うこと。
ちなみに1年前、これと似たようなことを書いてる

プラスに捉えたものは
全部『いいね』で済ませてしまうのが習慣化するから、
思考力も語彙力も感情表現の力も、
次第に衰えていってしまう。

(その集大成が、『ヤバい』『エモい』という言葉の流行だと思っている。)

思考力・語彙力・感情表現が衰える影響はさまざまだけど、
ひとつは議論が行われなくなってしまうことだと思う。

この『浅い共感』の波を止めることは困難だけど、
『ニクいほどの感動』は、
そこに一石を投ずる1つの手段になり得ると思っている。

『共感』をも飛び越え、
人の心を揺さぶり、
感情や語彙、思考を想起させてしまう感情だ。

大量の情報の波にのまれ、
一瞬でかき消されてしまうような、
使い捨てのようなコンテンツを作るよりも、

はるかに人の心に残るようなもの。

人びとの、心に感情の懐に入り込むような感じ。

そして1人でも多くの人に何らかの気づきを与えたり、
人生に彩りを添えられればこれ以上のことはない。

それで世の中で議論が巻き起これば、世の中が少し良くなっていく。

そんな意味でも、『ニクいほどの感動』は価値があると思うのだ。


自分は今、2020年卒の就活生だ。

これから進路を決める大事な時期だけれど、
自分の軸はここにある。

『満足』と『浅い共感』を超越する、
『ニクいほどの感動』を作って、世の中をくしたい。

簡単じゃないだろうけれど、
この道を追い求めていきたいと思う。

これからも頑張ります。

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